狭心症・心筋梗塞について知ろう
 


 

日本人の死因の中で、戦後大幅に増加した心疾患。現在、日本人の死因の中で第2位※です。
今回はこの心疾患のうち、「狭心症」および「心筋梗塞」とは何か、そして危険因子について概要を解説いたします。
※厚生労働省「平成25年(2013)人口動態統計の年間推移



  「狭心症」・「心筋梗塞」とは
   

「狭心症」・「心筋梗塞」とは、それぞれいわゆる心臓病のうちの一つです。心臓病は先天性疾患を除くと、大きくは下記の3タイプに分類できます。

・虚血性心疾患・心筋症障害(血液を押し出す機能に発生する障害)
・心臓弁膜症(心臓の弁(血流を一方向にするもの)に発生する障害)
・不整脈(心臓全体のペースを調整する部分の障害)

「狭心症」・「心筋梗塞」はこのうち『虚血性心疾患』に分類されます。「狭心症」も「心筋梗塞」も、冠動脈硬化症が原因です。冠動脈硬化症とは、冠動脈※の血液の通りが狭くなり、重度の場合は詰まります。

「狭心症」は冠動脈硬化症により血管が狭くなり、血流が悪くなることで心筋が一時的に酸素・栄養不足状態になることで起こる病気です。胸が徐々に苦しくなり、圧迫感や動悸、息苦しさを感じます。安静にしたり、薬を飲むなどの処置で症状がおさまります。

「心筋梗塞」は冠動脈硬化症により完全に血管が詰まり、心筋が虚血状態(栄養不足・酸素不足)となり、壊死。発見や治療が遅れると、死に至ります。前兆としては、狭心症の発作が頻繁に起きる、発作が長引く、薬を飲んでも治らないなど。すぐに救急車を呼び、医療機関で治療を受けます。
※心臓を覆う重要な血管で、心筋に栄養や酸素を供給しています。

つまり、いわゆる心臓における「動脈硬化」ともいえます。

心臓病の主な種類

病名 原因 主な症状
狭心症 冠動脈の動脈硬化により、血流が不十分になる 胸が締め付けられるような痛みが2〜15分程度続く
心筋梗塞 冠動脈の動脈硬化により血流が完全に詰まり、心筋細胞が壊死する 胸が締め付けられるような激しい痛みが30分〜数時間程度続く
心臓弁膜症 心臓の弁機能の低下 動悸、息切れ、不整脈
特発性心筋症 心筋に原因不明の異常が発生し、心臓の機能が低下 動悸、息切れ、不整脈、だるさ、むくみ
心筋炎 心筋が菌やウイルスに感染し、炎症する 胸の痛み、動悸・息切れ・不整脈など
心膜炎 菌やウイルスの感染により心膜※が炎症する
※心臓を包む膜
胸の痛み、発熱、息切れ、不整脈、貧血、脳梗塞など
不整脈 拍動のリズムが乱れる 激しい動悸、めまいなど

  狭心症と心筋梗塞の種類
   

狭心症と心筋梗塞は、下記の4タイプに大別できます。

  • 安定・労作性狭心症
    動脈硬化によってプラーク(次項目参照)ができ、血液の通り道が狭くなることで、運動等で心臓の動きが通常よりも激しくなった時に、酸素の供給が間に合わなくなり、狭心症の発作が起こります。
  • 冠れん縮性狭心症
    冠動脈がけいれんを起こして縮むことで血管が一時的に狭くなり、血流が妨げられたために起こる狭心症の発作。安静時に起こることが多いため、安静時狭心症とも呼ばれます。
  • 不安定狭心症
    冠動脈の粥腫の表面が破れやすくなっている、または破れかかっている状態。血栓ができやすくなっている状態で、血栓が冠動脈を塞いでしまうと心筋梗塞になります。
  • 心筋梗塞
    冠動脈の血栓で完全に血管が詰まり、血流が止まった状態です。血流が止まり、心筋への酸素・栄養の供給がなくなり、心筋細胞が壊死してしまいます。心筋梗塞を発症して72時間以内のものは「急性心筋梗塞」といいます。72時間以上から一ヶ月以内のものは「亜急性心筋梗塞」、それ以前の心筋梗塞は「陳旧性心筋梗塞」と分類されます。

  狭心症・心筋梗塞の原因となる動脈硬化について
   

狭心症・心筋梗塞を引き起こす直接の原因は冠動脈の狭窄です。そしてそれに大きく関わっているのは動脈硬化です。

動脈硬化の原因は、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病をはじめ、加齢、ストレス、喫煙などです。栄養や酸素を運んでいる動脈の血管内部にコレステロールなどがたまり、血管が硬く変化します。

血管が硬くなると、血管の内側にコレステロールや脂質が大量にたまり、お粥のようにどろどろとした状態になります。(粥腫(アテローム))。アテロームが破れると血管の内側に盛り上がりができてしまいます。これをプラークと呼びます。

血管にプラークができると、血管内が狭くなったり詰まってしまいます。また、血管が硬くなり、もろく破れやすくなります。

狭心症や心筋梗塞は、この動脈硬化が心臓に血液を供給している冠動脈に起こることで発症します。


  主な冠危険因子と予防
   

狭心症・心筋梗塞の主な冠危険因子は、次の5つです。

  1. 高血圧
    高血圧状態が続くことで血管の内壁が傷つき動脈硬化が起こりやすくなります。
  2. 脂質異常症(高脂血症)
    LDLコレステロール(悪玉)が増えすぎると酸化して血管壁に沈着し、動脈硬化を引き起こす原因になります。
  3. 糖尿病(高血糖)
    高血糖状態が続くと、血管内部も傷つけられるため、動脈硬化が進みます。
  4. 肥満
    肥満の中でも内臓脂肪型肥満(りんご型肥満)の場合は糖尿病や脂質異常高血圧などになりやすく、狭心症や心筋梗塞の発症につながる危険性が高まります。
  5. 喫煙
    喫煙は心臓に負担をかけます。タバコの煙に含まれる一酸化炭素が赤血球のヘモグロビンと結びつくと、赤血球は酸素を運ぶことができなくなります。心筋は酸素不足となり、狭心症や心筋梗塞の発作につながります。

上記の通り、狭心症や心筋梗塞は、いわゆる日常の生活習慣が発端となる病気が危険因子となることから、予防は生活習慣の改善が必要と言えます。
バランスの良い食習慣、適度な運動、睡眠、ストレス発散など、生活習慣を見直してみましょう。

参考:健康Salad


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