早期発見で完治します。− 大腸がん −
 


 

日本人の全死亡者数のうち、死亡要因1位はがん※1。
なかでも大腸がんによる死亡率は肺がんと同じく上昇傾向にあり、毎年新たに10万人が発症。女性にいたってはがん死亡原因の第1位です※2。
しかし、大腸がんは早期の発見であれば治るがんと言われています。今回は、大腸がんとはどんな病気なのか、大腸がんの症状、検査方法と、いくつかの治療方法を紹介いたします。
※1:厚生労働省「人口動態統計の年間推計(2013)」
※2:国立がんセンター「がんの統計'13」



  「大腸がん」とは
   

発生する場所で名前が異なり、「結腸がん」と「直腸がん」があります。「直腸がん」とは便の出口に近い部分、「結腸」は小腸から直腸の手前のあたりまでを指します。良性の腺腫ががん化するケース、正常な粘膜ががん化するケースがあり、部位により差はあるものの、下血や腹痛、便通異常などの自覚症状が現れます。

近年、日本では大腸がん患者が増加傾向にあり、その原因は動物性脂肪の過剰摂取、食物繊維の摂取不足、加齢による細胞の老化、免疫機能の不具合などと言われていますが、どれも決定的な原因とは言いがたい状況です。

早期発見であれば100%近くが完治します。進行の具合によって5年生存率(治療を開始してから5年後に生存している確率)が下降します。


  大腸がんの自覚症状
   

大腸がんの主な自覚症状は、血便・下血、便通異常、便が細くなる、腹痛です。しかし大腸がんも他のがんと同じで初期では自覚症状に気づきにくく、気づいた頃にはある程度がんが進行している可能性があります。死亡原因としてのがんは30代から増加しはじめることもあり、40歳頃からは定期的な検診をおすすめいたします。

血便・下血
がんからの出血による血便および下血の症状が現れます。血液の色や状態によってがんの患部を予測します。例えば、便の表面に鮮血に近い状態の血が付着していることを確認した場合、直腸など肛門付近でのがんであることが予測できます。これは、消化物が大腸を進むにつれ便の水分が吸収され、直腸では便が固形になっているためです。一方で、小腸に近い部分のがんの場合、便はこの時点では液体のため血液もこの中に混ざってしまい、目では血便の症状を確認しづらくなっています。そのため、定期的に検査(便潜血検査)を受けたほうが良いと言えます。

便通異常・便秘・下痢
便通に変化があったら、注意が必要です。今まで便通に問題なかったのに便秘になったり、あるいは下痢が続いたり、またこれが続いたり。下痢に血液が混じっているなど出血を確認した場合は検査を受けましょう。

便が細くなる・スッキリしない
便が細くなったり、ポロポロとした細かい便が多く出るなどの症状があったら要注意です。がんが大きくなり、大腸の内側が狭くなっていることが考えられます。また排便後も残便感がある、便意をもよおしたのに便が出ないという症状もあります。これはがんが直腸を刺激しているためにおこります。

貧血・膨満感・肛門の痛み・嘔吐感
いずれも大腸がんの症状だとは気づきにくいですが、大腸がんの可能性があるため注意が必要です。


  大腸がんの検査
   

大腸がんの検査は下記の種類などが挙げられますが、それぞれにがんの有無、転移の状態、がんの悪性度を調べるなど目的が異なります。便潜血検査、問診では、気になることは小さなことでも医師に相談しましょう。

  • 腹部触診・直腸診
    いちばん簡易で手軽な検査方法です。腹部触診では、腹部の痛みや違和感が無いかでがんの有無を調べます。直腸診では、肛門に指を入れて硬くなっている部分がないかと、血便の有無を調べます。直腸下部のがんを発見するために有効です。
  • 注腸造影検査
    大腸の大きさを調べ、がんの位置や大きさなどを確認する検査です。直腸から盲腸まで、大腸全体を調べることができ、がんの正確な位置や大きさ、腸の狭さがわかります。肛門からバリウムと空気を注入し腸をふくらませ、X線写真を撮影します。
  • 大腸内視鏡検査
    肛門から内視鏡を挿入し、モニターで大腸の状態を確認します。病変の表面を何十倍にも拡大して確認することができ、がんの確定診断が可能です。注腸造影検査では発見が難しい小さながんや平坦ながん(突起していないがん)も見つけることができます。検査中にポリープが見つかった場合、そのまま切除することもできます。
  • CTコロノグラフィー検査
    大腸がんの有無を確認する検査です。腸の運動を抑える抗コリン剤を注射後、肛門から炭酸ガスを注入し、CTで撮影。CTの画像で診断しますので、患者さんの体への負担が小さくて済みます。妊婦や妊娠の可能性がある方は受けることができません。オバマ大統領もこの検査を受けたことで有名な検査です。
  • 血液検査
    栄養状態、貧血の有無、がんの再発の有無、進行の有無、治療判定を行うための検査です。がんは大腸がん、胃がんなどそれぞれに特徴的な物質を発生させます(腫瘍マーカー)。採血後、一般的な検査(栄養状態、貧血の有無の調査)と、腫瘍マーカー検査が行われ、総合的に判断されます。腫瘍マーカーの値が低くてもがんが存在する場合がありますし、逆に腫瘍マーカーの値が高くてもがんが存在しないことがあり、すべてが判明するわけではありません。したがって早期のがん診断ではあまり有効ではありませんが、治療効果の判定、転移や再発の有無など総合的な判断をする場合に有効です。
  • 超音波(エコー)検査
    体内にがんがあることが判明した人を対象に行われ、大腸がんと大腸周辺の臓器との位置関係や転移の有無を調べます。脂肪が超音波を跳ね返してしまうため、太っている人の場合は鮮明な画像が見られないことがあります。また最近は、内視鏡と超音波を組み合わせた超音波内視鏡検査という方法もあります。
  • CT・MRI検査
    全身を調べ、がんの転移の有無などを調べます。CT検査ではX線を照射して鮮明な横断面画像を作り出し、画像で診断します。X線を使用しますので、妊婦は基本的にこの検査を受けることができません。MRIは磁気と電波で体の断面画像を作り出します。内視鏡では見ることができない臓器(肝臓や膵臓など)への転移の状態を確認するために行われます。
  • PET検査
    CTやMRI検査では診断が難しい場合や腫瘍マーカーが高い値を示している場合などに実施され、がん細胞の有無を確認します。がん細胞が正常な細胞と比較して3〜8倍のブドウ糖を取り込む習性を利用し、ブドウ糖に近い成分を体内に注射し、全身をPETで撮影。画像でブドウ糖が多く集まっていることが判明するので、がん発見の手がかりとなります。

  大腸がんの治療法
   

大腸がんの標準的な治療法は大きく4つあります。身体やがんの状態、転移の部位などによって治療法が異なります。

  • 内視鏡的治療
    がんの進行が初期の場合、内視鏡で操作器具を挿入してがんを切除することができます。がんの形状、大きさによって切除方法が異なります。
    ・内視鏡的ポリペクトミー
    病変にスネアという金属の輪をひっかけ締め付け、電流を流して焼ききる方法
    ・ERM:内視鏡的粘膜切除術
    粘膜下層に生理食塩水などを注入し病変を浮かせてスネアを挿入、がんを切り取る方法。病変が粘膜層に限局したがんに対して行われます。
    ・ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術
    ・粘膜下層に薬剤を注入し病変を浮かせ、ナイフで粘膜下層の組織ごとがんを切除する方法。平坦ながんの切除が可能。
  • 手術療法
    治療の中心となるのは手術療法です。がんを切除する手術を行います。がんができている部位や進行の状態によって、手術方法が異なります。直腸がんの場合、肛門の機能が失われるとストーマ(人工肛門)となることもあります。
    ・開腹手術
    おなかを10〜20cm切って行います。
    ・腹腔鏡手術
    おなかを切らずに、腹腔鏡を入れてがんを切除します。
  • 化学療法
    切除が難しいがんに行う治療で、抗がん剤と呼ばれる薬を注射したり、内服する治療法です。抗がん剤を使って、がん細胞の増殖・分裂を阻害し、がんを死滅させたり小さくします。がんを根治させるものではありません。また抗がん剤は健康な細胞も攻撃してしまうため、化学療法は副作用が出やすい治療法です。
  • 放射線療法
    毎日少しずつ放射線をがんにあて、がん細胞を攻撃する治療法です。体の外側から放射線をあてる外照射と、内側からあてる腔内照射があります。

早期発見により完治が可能ながんです。定期的に検査を受け、また気になることはすぐに医師に相談しましょう。

参考:健康Salad


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