アルコールとうまく付き合おう
 


  酒はよく宝の水と喩えられます。「百薬の長」なんて聞きますね。しかし酒を飲みすぎると脂肪肝やアルコール中毒になる危険があり、もし酒の量を抑えることができなければ、腸に穴をあける毒薬にもなってしまいます。
また、個人の体質によってアルコール分解能力に差があり、これが低い人が無理に飲もうとすると「百薬」どころか最悪の結果を招いてしまいかねません。
アルコールと楽しくつきあうには、アルコールの作用と自分の体質を知ること、またお酒を勧める立場としての思いやりが大切なのです。

  飲んだお酒は体の中でどうなるのか
   
  1. 酒を 飲んだあと、約20%のアルコールは胃の中で吸収され、残りは小腸でゆっくりと吸収されます。
  2. 次に肝臓で「アルコール脱水素酵素」という分解酵素によりアセトアルデヒドに分解されます。 さらに、アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素により肝臓内で酢酸に分解され、(血中に放出された後、)最終的に水と二酸化炭素に分解され、体外に排出されます。摂取したアルコールの2〜3%はそのまま呼気、尿、汗などとなって排出されます。
  3. 血中に入ったアルコールは、血液の循環によって脳に到達し、脳の神経に作用し、麻痺させます。その結果として酔うのです。
  二日酔いの原因と酔いがさめるまでの時間
    例えば体重60Kgの人がビール500ml※を30分で飲んだとしましょう。
そうすると、アルコールは3時間から4時間は体内に留まります。1000mlの場合はアルコールが体内から消失するまでに6時間から7時間かかります。しかし、この時間は個人の能力に差があるため、お酒が飲めない体質の人、弱い体質の人、女性などはもっと長い時間がかかります。また肝臓がアルコールを分解してアセトアルデヒドを作り無毒の酢酸と水に酸化分解する時、肝臓は一時間に54ccのアルコールしか処理できません。これよりも多いと血液 中のアルコール量が増加し、大脳を主とする各臓器に害を与え、二日酔いを起こす原因となります。
アルコールの消化には上記のプロセスと個人の能力差があるため、深夜まで飲んでいると翌朝起床後まで体内にアルコールが残ってしまい、結果として二日酔いとなるのです。
冷や水を多く飲むことは二日酔いを治す基本原則です。水は血液中のアセトアルデヒドの濃度を薄め、汗や尿とともに体外へ排出させることができます。
お酒の1単位。1単位=ビール(アルコール度数5度の場合)500ml。日本酒(アルコール度数15度の場合)なら180ml。焼酎(アルコール度数25度の場合)なら110ml。ワイン(アルコール度数14度の場合)なら180ml。

  お酒を飲む時の秘訣
    少量のお酒を食前に飲むと、胃液の分泌を促し、食欲を増進させる効用があります。空腹でお酒を飲むと、あるいはサイダー、ソーダ類をお酒に混ぜて飲むと、胃は保護されない状態となりアルコールの吸収スピードを速めるので、肝臓の解毒する時間がなくなりアルコールの濃度が増し、酔いを引き起こすことになります。
一番良い予防方法は、お酒を飲む前に、タンパク質や脂質を含んだ食品を食べると、アルコールと粘膜の接触を緩和し、アルコール吸収のペースがゆるやかになり、胃腸障害を防ぐことができます。
また食べ物に含まれる水分が、血液中のアルコール濃度を薄める効果も期待できます。例えば肉の脂身、牛乳などが良いでしょう。
お酒を飲んだ後は、できるだけお湯、特に生姜湯を飲むと、酒ざめへの効果は意外に良いです。しかし、お茶が酒ざめに効き目を持つという考え方については、もう一歩突っ込んで研究する余地があります。というのは、コーヒーと同じようにお茶も脳神経 を刺激する機能を持っています。ですからお茶の酒ざめの効き目に関しては、良い処方ではないと思われます。
酔っ払わないための一番よい方法。それは飲みすぎないことです。

  アルコールの適正な摂取量
    アルコールの代謝能力には個人差があるため、適正な量も個人差があります。
一般的には、2単位程度(ビールなら中びん2本1000ml。日本酒なら2合360ml。焼酎なら1.2合220ml。ワインなら360ml)を限度とし、個人差はありますが「ほろ酔い」で お酒を楽しむことができる量と言われています。

  もしも急性アルコール中毒になったら
   
  • 意識がない(反応がない)場合は救急車を呼ぶ
  • 一人にしない
  • 横向きに寝かせる(仰向けにすると吐瀉物をつまらせて窒息する恐れがあります)
  • ベルトやタイツ、ブーツなど身体を締め付けている物をはずす
  • 無理に吐かせない
  • 嘔吐した場合は吐瀉物をよく拭き取る
  • 呼吸や脈の有無を確認する
  • 体温が下がらないように毛布や上着をかける
  • 水分補給をさせる


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