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  ジカ熱、ジカウイルス〜蚊を媒介とした感染症
 


 

最近ニュースで目にすることが多い「ジカ熱(ジカウイルス感染症)」。中南米を中心に感染者が多数発生していること、妊婦の感染による胎児の小頭症との関連が示唆されていることから、特に流行地域への渡航者に対して注意が呼びかけられています。この「ジカ熱」は、とても身近な虫である蚊を媒介にして感染する感染症です。海外への渡航をお考えの方、妊娠中またはそのご予定がある方およびご家族の皆さまには注目いただきたい情報です。



  ジカ熱の流行地域と感染経路
   

ここ数年の発生状況*としては、合計で59の国と地域での感染伝播が記録されています。直近ではキューバおよびドミニカで感染者の報告があります。2014年以降、ブラジルでは発熱性発疹の患者が集団感染しました。また2015年は40万人から130万人がジカ熱に感染したと報告されています。コロンビアでは2015年10月〜2016年3月16日までの間に、5万人以上が感染の疑いがあり、2,000人以上がジカ熱に感染したと確定診断されました。(2007年1月1日〜2016年3月16日 厚生労働省FORTH海外で健康に過ごすために)

主な媒介は日本でも身近な「蚊」
ジカウイルス感染症は、「蚊」です。2015年の夏に日本でも注意が呼びかけられた「デング熱」や、日本脳炎も蚊を媒介にしています。日本国内での感染はまだ確認されていませんが、ブラジルに渡航した方が帰国後にデングウイルスに感染していたことがわかった事例があります。しかし日本国内では蚊が多く発生する前の季節であったため、たまたま流行を免れている可能性もあります。

輸血・性交渉によっても感染伝播のおそれ
フランス、イタリア、アメリカ合衆国では、媒介することが知られている蚊が存在していない国内で感染が報告されており、輸血・性交渉によっても感染する可能性が高いと見られています。流行地域への渡航歴のない方への感染や、精液からのジカウイルス遺伝子検出も報告されています。

*2007年1月〜2016年3月61日

(参考:「ジカウイルス感染症のリスクアセスメント」国立感染症研究所)


  ジカウイルス感染症の症状と診断
   

ほとんど症状が見られない
感染しても8割の方は症状がないか、症状が軽いため気づきません。また数日で治ることがほとんどです。(感染しても全員が発症するわけではありません。)潜伏期間は2日〜12日程度です。発熱、頭痛、眼球結膜充血、皮疹、筋痛、関節痛等があり、デング熱やチクングニア熱の症状によく似ています。流行地へでかけても、何も症状がない場合は病院を受診したりする必要はありません。

診断
ジカウイルス感染症は、日本においては最近問題になったばかりであり、また国内では流行しないウイルスのため、通常の診療所や病院では検査の中に含まれておりません。医師が必要性を考えた場合にのみ、他の感染症の可能性も考量して検査がなされます。

参考:「蚊媒介感染症専門医療機関一覧」一般社団法人 日本感染症学会


  ジカウイルス感染症の予防
   

流行エリアにいかない、蚊にさされやすい時間帯の外での活動を避ける、刺されないよう備えをすることが重要です(虫除け剤、長袖、蚊帳の準備など)。 感染したヒトと同じ場所にいたりしても他のヒトに直接病気がうつることはありません。血液や体液での感染が疑われる例が報告されており、コンドームの使用等が勧められています。疑問や不安がある方は出発前にトラベルクリニック等でご相談ください。

蚊に刺されない対策

  • 肌を露出しない長袖、長ズボンを着用する
  • 素足でのサンダル履きを避ける
  • 白など薄い色のシャツやズボンを選ぶ(蚊は色の濃いものに近づく傾向がある)
  • 露出する部分には虫除けスプレーなどを使い、蚊を寄せ付けないようにする
  • 蚊取り線香などを使って蚊を近づけない など

蚊の発生を抑える対策
ジカウイルス感染症の媒介する蚊は、ヒトスジシマカですので、この発生を抑えることが感染の予防につながります。 ヒトスジシマカの成虫は雑木林や竹林などに生息し、日中(日の出から日の入り時間まで)に活発に活動します。沼や池のような広い場所よりも、狭い水たまりのような場所を好むため、屋外に置かれた植木鉢の受け皿や空き缶、ペットボトルなどに溜まった水に産卵します。野積みされた古タイヤに溜まった水などにも好んで産卵し、孵化(ふか)した幼虫はそこで成長します。 こうした生態から、家の周囲を点検して不要な水たまりをなくすことで、ヒトスジシマカの発生を抑えることができます。


  妊娠中女性のジカウイルス感染症と新生児の小頭症との関連
   

ブラジルでは、2015年10月から2016年3月の間で、小頭症または中枢神経奇形について6,480例の報告がありました。この6,480症例のうち、2,212例を調査したところ、863例にてジカウイルスの感染が確認されました。また奇形が疑われた6,480例のうち、182例は出生児または妊娠中に死亡しており、このうち40例で小頭症または中枢神経奇形が確認されました。
またカーボベルデ共和国、フランス領ポリネシアにおいてもジカウイルス感染と小頭症新生児の報告があり、ジカウイルス感染症と小頭症との間の時間的・地理的関係が一致していることから、妊娠女性に対するジカウイルス感染症と小頭症との関係が示唆されています。
※世界保健機関(WHO)は、2016年3月8日、妊婦は流行地域への渡航をすべきでないと勧告しています。

流行地から帰国された男性へ
性行為により、男性から女性パートナーへの感染伝播が疑われる事例が報告されていますので、流行地へ渡航した場合は、症状の有無に関わらずコンドームを着用してください。

厚生労働省

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