クラミジア感染症
原因 現在世界的にもっとも多い性感染症です。クラミジア・トラコマティスというウイルスで、昔“眼のトラコーマ”として大流行
していたものですが、今や、性的な接触で性器、尿道、口、目などの粘膜に感染する“性器のトラコーマ”となってひそか
に大流行しています。
口唇を使ってのオーラル・セックス(フェラチオ)でも感染します。
潜伏期間 2〜3週間
症状 症状は淋病に似ているが、軽度

)・約半数に排尿困難、排尿時の痛み。
   ・尿道口より最初は薄く次第に濃くクリーム状の膿が出る。
   ・前立線炎、副睾丸炎を起こすこともある。

)・約2割に、おりものの増加や下腹部通が見られる。
   ・きわめて症状が軽く、感染症例の5人に1人しか症状が出ません。
   ・進行すると子宮、卵管と炎症が進み不妊の原因となることもある。
診断と治療 ・分泌物をとって調べたり、血液検査で診断することができる。 
 ■検診キット
・クラリスやジスロマックなどの抗生物質を使って1〜2週間の治療を行なう。
・治癒したとしても、免疫が出来るわけではないのでもしパートナーが感染していれば再び感染(ピンポン感染)
 する事もあるので注意を要する。

淋 病
原因 淋菌という細菌が、性的な接触により感染。
潜伏期間 2〜5日間
症状
  ・尿道に軽いかゆみや熱っぽさを感じる。
  ・尿道から白く濁った膿がでる。
  ・排尿時に強い痛みを感じる。放置すると頻尿、排尿困難、排尿の終わりに出血を見るようになり、さらには前立腺、
    副睾丸に炎症が広がったり、不妊の要因となることもある。


  ・軽い排尿痛、頻尿などで、症状が軽く本人が気付かないこともある。放置すると子宮、卵管と感染が進み、骨盤内
   感染や不妊の原因になる。
  ・悪臭のある、緑白色や黄色のおりもの下腹部の痛み、発熱など。
診断と治療 ・感染したと思われる箇所からの分泌物をとり、検査する。
・ペニシリン、ニュキノロンなどの抗生物質が効果的だが、両者とも耐性菌(薬の効かない菌)が増加しているので
 注意が必要。

性器ヘルペス
原因 単純ヘルペスウイルスというウイルスにより感染。1型と2型の2種類があり、口唇ヘルペス(口の周囲に水泡ができる)は
1型、性器ヘルペスは2型といわれていたが、現在では、1、2型ともに性器ヘルペスが起こるといわれている。
潜伏期間 3〜7日間
症状 1.初めてヘルペスに感染した場合
 ・感染した部分に米粒程度の水泡が出来る。
 ・水泡や潰瘍性の病変をつくり、かなりの痛みを伴う。2〜4週間で症状は消える。
 ・排尿時に強い痛みがある場合もある。

2.再発の場合
 ・ヘルペスウィルスはいったん感染すると神経に潜伏し、再発する事がある。
 ・小さい潰瘍性の病変をつくり、1週間位で改善する。
 ・月経、性交渉などの刺激や、ストレスや疲れなどで再発することが多い。
診断と治療 ・感染した部分から検体をとり検査する。
・初めてヘルペスに感染した場合は抗ウイルス剤のアシクロビルの服用が必要。
・再発の場合は症状も軽い為、塗り薬でも十分なことが多い。


 

梅毒
原因 梅毒トレポネーマという細菌が、性的な接触により感染。
皮膚や粘膜の傷に接触することで感染する恐れがある。
潜伏期間 通常3週間
症状 第1期 感染後3週間して
 ・性器、肛門、口など感染した部分に、小豆大〜エンドウ豆大の痛みの無い赤いシコリが出来る。これは潜存化するが
  4〜6週間で自然に軽快する。女性では気付かない場合がほとんど。

第2期 第1期が終了する頃から
 ・全身の皮膚に、赤い斑点がまばらに現れる。
 ・丘疹(皮膚から盛り上がったぶつぶつ)や後頭部に脱毛がみられる。
 ・かゆみや痛みがなく、放っておくと症状は自然に2〜6週間で消えてしまう。

潜伏期
 ・第2期の終わる頃より数週間から数年間にわたる無症状の潜伏期に入る。
  この時期は血液検査でのみ診断される。この中の数10%が晩期へと進む。

晩期 感染3年後くらいから
 ・皮膚や内臓にゴム腫(固いしこりやこぶができ、周辺の組織を破壊し、治ると後が残る)と呼ばれる病変が起こる。
 ・関節炎や手足の感覚の喪失。
 ・心臓、血管、脳などに障害が出て、日常生活が営めなくなる。
診断と治療 ・血液検査により診断できる。
・ペニシリンなどの抗生物質の投与で治療するが、症状が治っても細菌が体の中に潜んでいることもあるので、
 根気よく治療する事。

尖形コンジローマ
尖形コンジローマとは human papillomavirus(HPV)の性的接触感染によりイボのような症状が発生するウイルス性
性感染症です。
病原体となるHPVは約8.000塩基対の環状2本鎖DNAを有した10の-5乗mm程の大きさの
小型DNAウイルスで、現在、培養細胞で増殖できないため、ゲノムDNA基配列の違いに
よって90種類以上の型に分類されています。
子宮頚癌の90% 尖形コンジローマの原因となるHPV(ヒトパピローウイルス)の繁殖生態から、長い期間を
経て性器癌になる可能性あることが近年注目を集めています。

男性が罹る陰基の扁平上皮癌の61%にHPV16型が、18%にHPV18型が検出され、女性の
罹る子宮頚部の扁平上皮癌から90%以上にHPVが検出され、そのDNAの型は16型が最も
多いとされています。

また、腺癌からは75%にHPVが検出され、18型が多く検出されています。
6.11型に比べ悪性化する要因となる16.18型では、自覚症状に乏しいことが多いため無意識
のうちにHPVを広めてしまう可能性があります。また、
尖形コンジローマの症例は性器HPV
感染症全体の10%ともいわれています。
どのようにして感染するのか? 尖形コンジローマの原因となるHPVは培養細胞での増殖に成功していないため、感染経路
は断定されていませんが、皮膚や粘膜の上皮損傷部位に直接的な接触により侵入し、
基底細胞に感染すると考えられています。
また、HPVは細胞外では短時間で死滅するため、性行為のような密接になる行為で感染
すると考えられます。
特に男性HPV感染者の場合、精液にHPVが検出されることが多く、精液からsexパートナー
へと感染する可能性も考えられます。
潜伏期間期間 3〜4ヶ月
症状 ・感染後、数週間から2〜3か月を経て、陰茎亀頭・冠状溝・包皮・大小陰唇・肛門周囲等の性器周辺部
 にイボ状の小腫瘍がたくさんできます。
・放っておくと、増殖してカリフラワーのようなかたまりになる。
・自覚症状はほとんどなく、イボが大きくなったころに不快感を覚える程度。
・進行して炎症をおこすと、痛み、かゆみ、性行痛、排尿痛があることも。
診断と治療 ・コンジローマを外科手術により切除したり、電気焼灼・ッレーザーメスによる蒸散法・液体窒素による凍結  療法と、感染している部分に薬を布する方法がある。
 再発しやすいので治療後1〜2年程度定期的な検診が必要。