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  あべこどもクリニック通信  


☆風邪(かぜ)について☆


 風邪(かぜ)とは何、という質問に明確に答えられる人は、実はほとんどいません。専門家も、医学の教科書、医学辞書も風邪の定義は難しいと述べています。
 それでも一般的には病原微生物による鼻咽頭炎(つまり鼻とのどへの感染)とされています。なお、病原微生物は、年齢にもよりますが、、80〜90%はウイルス感染で、ウイルスには抗生剤は効きません。
 これに対して、原因によらず、つまり感染はもちろんのこと、感染ではなくても風邪症状が見られ、また、高熱、頭痛、ときに下痢・嘔吐などの全身症状を伴う場合、風邪症候群(かぜまたは、かぜと症状が似ているものすべて)といい、多くの場合、「風邪」といった場合、この風邪症候群のことをさします。風邪症候群には、寒冷やホコリなどによる物理的刺激や、花粉症や喘息などのアレルギーも含まれてしまうことがありますし、気管支炎や軽症の肺炎が含まれることもあります。
 これからは、風邪症候群のことを「風邪(かぜ)」と言わせていただきます。

かぜは、症状から次のような分類が発表されています。
1) 非特異的上気道炎型(本当の、かぜ)
 鼻炎症状(くしゃみ、はなみず、はなづまり)、咽頭症状(のどの痛み、いがいが感など)と咳(痰があってもなくても)の3症状が、急にそろって症状が出る場合。熱はあってもなくてもいいのですが、比較的元気。この場合、99%ウィルス感染によるもので、本当の風邪で、抗生剤は不要です。
2) 鼻炎型(抗生剤が必要な細菌性副鼻腔炎は0.2%〜5%以下とされています。)
 やはり熱があってもなくてもいいのですが、鼻炎症状(くしゃみ、はなみず、はなづまり)が主な症状の場合。黄色い鼻汁でも、ウィルス性のことが多く、抗生剤が必要な場合は次のような場合に限られています。(1)発熱と頬部/鼻根部の痛みが強いとき (2)膿性鼻汁(黄色い鼻水)が1週間以上続くとき など。
3) 咽頭炎型(こどもでは約20%が溶レン菌で、溶レン菌流行時はもっと高率)
 ”のどの痛み”が主で熱はあったりなかったりです。やはり、抗生剤が不要なウィルス性が多いのですが、溶レン菌(ようれんきん)による咽頭炎・扁桃炎が含まれます。小児では約20%とされていますが、流行しているときはもっと高率です。この場合、はじめから抗生剤の投与が必要です。いまでは10分位で結果が出る検査があります。
4) 気管支炎型(肺炎のことがある)
 咳が主な場合です。この場合も90%以上ウィルス性ですが(抗生剤不要)、高熱が続くときは肺炎の心配があります。また、微熱でも、咳が強いときはマイコプラズマや百日咳のことがあり、抗生剤が必要なことがあります。
5) 高熱のみ型
 比較的元気な8ヶ月から1歳半くらいで(6ヶ月から、また2歳くらいでも)熱だけの場合、しばしば突発性湿疹のことがあります。また、流行期では、夏風邪やインフルエンザが熱だけということがあります。
 しかし、高熱だけの場合は、風邪ではないことがあり、もっとも注意が必要な型です。
6) その他
 嘔吐や下痢も風邪でよく見られますが、特に嘔吐下痢が主な症状の時、”おなかの風邪”とよく言われます。
 ノロウィルス、ロタウィルス、O157、サルモネラなどが検査でわかれば感染性胃腸炎といわれ、風邪ではないのですが、必ずしも検査できるとは限らず、「お腹の風邪」といわれます。細菌性腸炎の場合は抗生剤が必要なこともありますが、検査してからが望ましいとされています。
 そのほか、特徴的な発疹や、関節症状を伴う場合などがありますが、今回は詳細は省きます。

 最後に、風邪に対する抗生剤治療について簡単に触れておきます。
 日本呼吸器学会、日本感染症学会、日本化学療法学会(抗生剤治療の専門家の集まり)、日本外来小児科学会などから”かぜ症候群”に対する抗生剤の使い方がガイドラインとして出されていて、次のとうりとなっています。
”抗生剤の投与は、風邪には原則として有害不要で、投与は特定の状況に限られる。抗生剤の投与により、重症化を防ぐことは期待できない”
 実は、今回もっとも言いたかったことは、この部分です。このことは、世界中の医師の間で常識になっていますが、あまり守れていないのが現実です。
 なお「重症化を防ぐことはできない」、というのは、風邪をこじらせると二次感染で中耳炎や肺炎などになったりすることがありますが、抗生剤が効くのは肺炎や中耳炎になってしまってからであり、肺炎などになる前に(かぜのうちに)抗生剤を服用しても、肺炎・中耳炎になるのを予防することはできない、という意味です。

 さて、今回は少し専門的な部分があり、わかりにくかったかもしれません。しかし「風邪ですか}という質問が大変多いですので、まとめてみました。
 インフルエンザや、夏風邪(プール熱、手足口病、ヘルパンギーナ)、突発性発疹や胃腸炎、されに成人では「ちょっと頭痛がする」、「胃腸の調子が悪い」なども、”かぜ”症候群に含まれることがあり、成人も含めて、クリニックを受診される患者さんでは”かぜ”がもっとも多い疾患であると考えられます。



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